運送業:山新運輸(株)様
顧客満足へ輸配送支援システムで挑戦
- 「超広域通信NEXNET MD100」と「社長の目」の導入

顧客対応の向上とコスト削減に効果を上げています。
山新運輸(株)様は、1972年から約30年以上、鋼材輸送を中心に展開しています。
2004年12月にモトローラデジタル無線のネクスネット動態管理システム「社長の目(ATIS on Net版)」を導入し、渋滞・規制地域の回避や緊急連絡などに活用されており、コスト削減と顧客対応向上の効果について、山新運輸(株) 代表取締役社長・新関俊正様にお伺いしました。
車両の位置情報を求める
1968年に創業し、鋼材輸送を中心に成長してきました。運ぶ荷は、橋の建設資材や鉄板といった重量物。
荷主は大手ゼネコンや工場などの製造業が中心です。
昔と違い、今はお客さまにJIT(ジャスト・イン・タイム)での輸送を要望されることが当たり前になりました。
メーカーなどでは、余分な在庫を持たないことが基本です。必要な時に材料が不足すれば、ラインや作業を止めることになりかねません。
輸送を担当する物流事業者にも、納品時間の厳守が要求されています。渋滞などの避けられない事態でも、輸送が遅れることは顧客の信頼にかかわりますので、顧客と頻繁に連絡を取り合い、信頼維持に努めてきました。
ドライバーとの連絡にはアナログ無線を使っていましたが、通信エリアの狭さや音声の品質が課題でした。車両の位置情報を地図上で把握したいという思いもあり、道路交通情報と合わせて事務所側で分かれば、渋滞回避などに役立つと考えていました。
無線の更新時、モトローラ社製デジタル無線NEXNETとGPS(衛星利用測位システム)を組み合わせた「社長の目(ATIS on Net版)」を知りました。コストが低く、無線機能もそのまま使えるところに魅力を感じました。

鋼材を運ぶ車両は、ほとんどがトレーラー。大型のため、広い道や場所が必要です。
早い交通情報の把握がカギ

事務所側の機器。
パソコン左にあるハンディ端末に車両番号を入力し、上のアダプターのボタンを押して位置を表示
「社長の目」を活用し始めたのは、2004年12月。事務所での操作は、位置を知りたい車両の番号を入力して、アダプターのボタンを押すだけ。短時間で地図上に位置が表示されます。ドライバーの入力操作は不要。簡単な操作のため、研修は1日も掛からずに済みました。
導入後、まず効果があったのは、適切なルート選択です。本社のある千葉県市川市は、イベント会場の幕張メッセや大きな競馬場が近くにあり、催事などで渋滞が多く発生します。そんなとき、画面の地図で渋滞個所を確認して、迂回路などをすぐドライバーに指示することができます。
工事や交通規制の情報も確認できるので、“JIT輸送”で、車両の到着時刻や待機場所を伝えることにも役立っています。
パソコンのほか、42インチの大型プラズマ画面も導入し、運行管理者だけでなく、事務所の誰もが車両・交通情報を確認できます。
お客さまへの対応が早くなり、信頼関係につながっています。重量物の輸送では燃費が悪くなりがちなため、スムーズな経路の選択によって、燃料費の削減に大きな効果があります。

デジタル無線の良さを活用
デジタル無線の高い品質にも驚きました。通信エリアは、営業地域である関東一円をカバーしているので、アナログ無線に比べて、格段に広がりました。以前はエリア不足を補うために携帯電話も使用していましたが、今はデジタル無線のみになり、コストを下げることができました。
デジタルならではの音質は、声の微妙な調子まではっきり分かります。

運転席付近にある車載システム。ドライバーは普通に無線機を使うだけで、入力作業などは不要。
よく無線で話しますが、声の様子からドライバーの体調が分かります。声が小さければ元気付けたりして、ドライバーと良い関係を維持している。
特に活用しているのが無線の一斉通信(グループワイド)機能です。毎日、無線機で車中のドライバーへ朝礼をしています。内容は日によって違い、雨の日の運転注意や早めのライト点灯などを呼び掛けています。意識して安全運転するきっかけになればと思い、続けています。
事故防止には、車両位置情報も役立っています。配達時刻に間に合わせるための無理な運転や渋滞でのイライラが減ったためです。
我が社では、安全作業活動に力を入れ、何年も無事故を続けています。
事故は3者すべてに悪影響を及ぼします。3者とは、荷主、物流事業者、事故を起こした本人です。
信頼を失うのは簡単ですが、回復するのは大変です。いかに未然に防ぐかが大切です。
今後も「社長の目」活用を含めて、さらなる事故防止に努めてゆきます。
Data
山新運輸株式会社- 設立 1972年4月
- 本社 千葉県市川市原木2061-2
- 従業員 38人
- 車両台数 72台(トレーラー、トラクター別)
※輸送経済新聞社「流通設計21」12月号より抜粋